2020年5月7日木曜日

【感想】詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)

詠坂雄二『日入国常闇碑伝』(講談社ノベルス)を読んだ感想、のような紹介文です。


この作品は詠坂雄二の中でもマニアックな方です。文庫化もされていませんし今後もされるような気もしません。かと言って面白くないわけではありません。埋もれているのが不思議なくらいのめり込む一冊です。


『日入国常闇碑伝』(ひのいるくに とこやみひでん)は全5章仕立てで、戦乱の時代末期から平和な時代の架空の日本=日入国が舞台となります。突然日入国の約4割を飲み込んでしまった常闇という異界に魅せられた人物、取り払おうとする人物たちの話になります。

海外のワーニー・アンサーという作家が書いた小説を、日入国の新人作家が邦訳し、十数年後に新書で再出版したという設定で書かれています。こういう設定は、詠坂雄二の2作目の著書『遠海事件』にも通ずるところがあります。


史実と比較すると、本能寺の変以降、もしくは江戸中期~後期あたりの感じがします。
時代劇ものが好きな方には気に入っていただけるのではないかと思います。

以下は各章について触れます。
ネタばらしはありません。

2020年4月9日木曜日

【感想】鯨統一郎『文豪たちの妖しい宴』

鯨統一郎氏の『文豪たちの妖しい宴』(創元推理文庫)を読んだ感想です。



ネタバレはありません。


『文豪たちの妖しい宴』は通算98冊目の著書です。
バーを舞台に、日本の誰もが知っている名作を、今までには無い新しい切り口で論じています。


2020年3月13日金曜日

【感想】岸本佐知子『ひみつのしつもん』

岸本佐知子『ひみつのしつもん』(筑摩書房)


岸本佐知子氏の『ひみつのしつもん』を読み終えての感想です。

岸本佐知子氏に関してごく簡単で偏見的な説明をすると、翻訳家で日本ではあまり知られていない作家の作品を日本に紹介してくださる素敵な方です。
エッセイも書かれておられ、本書は『気になる部分』(白水社)『ねにもつタイプ』(筑摩書房)『なんらかの事情』(同)に続く通算4冊目になり、筑摩書房PR誌「ちくま」に掲載されていたものから選りすぐられたものなります。


2020年3月12日木曜日

【感想・ネタバレ】鯨統一郎『恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記』

【ネタバレ】鯨統一郎『恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記』をより楽しむ読み方


鯨統一郎氏の『恋と掃除と謎解きと ハウスワーク代行・亜美の日記』をより楽しむ読み方をお届けします。

作品間で人物や地名などが色々とクロスオーバーしているので、読めば他の鯨統一郎作品も読みたくなると思います。

以下ネタバレありますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月11日水曜日

鯨統一郎 「ゲッサン」巻末コメント

鯨統一郎 『タイムメール』「ゲッサン」巻末コメント


今回は「タイムメール」連載時の、「ゲッサン」巻末に載っている鯨統一郎氏のコメントです。
こういう情報を欲しがる人は要るのかという疑問はありますが…、雑誌掲載以外では絶対見ることはないと思うので、ブログに残します。今まで書いてきた『タイムメール』の雑誌版と文庫版の違いも、「果たして…」とは思いますが。

もしかしたら『鯨統一郎全集 補遺』などで収録されるかもしれませんね。発売の際は雑誌「ジャーロ」内のコメントなども余さず収録してほしいです。

以下巻末コメントになります。


2020年3月10日火曜日

鯨統一郎『タイムメール』第12話 虹をわたって 後編

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第12話 虹をわたって 後編


最終話、後編になります。
最後までお付き合いありがとうございました。
それではどうぞ。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月9日月曜日

鯨統一郎『タイムメール』第12話 虹をわたって 前編

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第12話 虹をわたって 前編


いよいよ『タイムメール』最終話になります。
量が多いので前後編にわけて検証します。
※第1話から第11話までに出てきた変更点は割愛しています。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月8日日曜日

鯨統一郎『タイムメール』第11話 「歪んだ英雄」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第11話 「歪んだ英雄」


今回は第11話「歪んだ英雄」について見ていきます。
他作品にも出ているであろう人物が出てきます。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月7日土曜日

鯨統一郎『タイムメール』第10話「メールを信じすぎて……」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第10話「メールを信じすぎて……」


第10話です。新興宗教団体に入信したある女性のはなしです。
以前の作品にも出てきた団体などが出てきます。

以下ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月6日金曜日

鯨統一郎『タイムメール』第9話 「たった一つのいいこと」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第9話 「たった一つのいいこと」



第9話「たった一つのいいこと」について見ていきます。
今回は派遣切りにあった男の話です。
なぜかある大学名が違います…

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月5日木曜日

鯨統一郎『タイムメール』第8話 「乗ってはいけない」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第8話 「乗ってはいけない」


第8話、「乗ってはいけない」の変更点です。

今回は孫のために行動する祖母の話です。
補足説明も参照ください。
以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月4日水曜日

鯨統一郎『タイムメール』第7話 くるったレシピ

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第7話 くるったレシピ


さて、第7話はあるシェフの話です。

今回はそれほど大きな変更点はないようです。
ただ、文庫だけでは味わえない内野雄二朗が見られると思います。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月3日火曜日

鯨統一郎『タイムメール』第6話 「追いつめて……」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第6話「追いつめて……」検証


第6話は、思春期の息子と娘を持つ父親の話です。
細かい設定が違っています。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。



2020年3月2日月曜日

鯨統一郎『タイムメール』第5話 「幸せになる方法」


【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第5話 「幸せになる方法」


タイムメール第5話になります。
航空会社に就職した女性の話です。
補足説明も参照ください。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年3月1日日曜日

鯨統一郎『タイムメール』第4話「夢をあきらめて」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第4話「夢をあきらめて」検証


さて今回は第4話を見ていきます。

一人のミュージシャンの話になります。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年2月29日土曜日

鯨統一郎『タイムメール』第3話「大穴に賭けろ!」

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』第3話検証


タイムメール第3話の差異になります。
細かい設定の変更点もいくつかあり、見比べると面白いです。
ぜひ、補足説明も参照ください。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年2月28日金曜日

鯨統一郎『タイムメール』 第2話 無視されたメッセージ

【ネタバレ】鯨統一郎『タイムメール』検証


『タイムメール』第2話になります。

まずタイトルが、“無視されたメール”から“無視されたメッセージ”に変更されています。ケータイからスマホへ変更されているためですね。

以下ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年2月27日木曜日

鯨統一郎『タイムメール』第1話 言えなかった告白 後編

【ネタバレあり】鯨統一郎『タイムメール』検証


『タイムメール』第1話後編を検証します。

第1話の主人公たちは、「星城大学」の学生なので、今後の作品にも出てくる人物もいます。個人的に星城大学がどのような規模の私立大学なのか知りたいですね。おおよその立地場所の記載はありましたが、学生数、学部数など…。「星城高校」もありますし。

以下ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。


2020年2月26日水曜日

鯨統一郎『タイムメール』第1話 言えなかった告白 前編

【ネタバレあり】鯨統一郎『タイムメール』検証


鯨統一郎作品『タイムメール』の第一話の考察になります。
今回、量が多いので前後編にわけています。

以下、ネタバレ含みますので作品読了後にご確認ください。

2020年2月25日火曜日

鯨統一郎『タイムメール』雑誌版と文庫版

【ネタバレあり】鯨統一郎『タイムメール』

・鯨統一郎の作品『タイムメール』について書きます。

・『タイムメール』とは「ゲッサン」(月刊少年サンデー)に連載されていたオムニバス小説です。文庫巻末に“時代背景を現代に合わせるなど大幅に加筆修正し、文庫化”とあり、氏にしては珍しいなと思い、雑誌と文庫版の違いが気になったので調べました。


2020年2月24日月曜日

ブログはじめます

こちらのブログには読んだ本について色々書こうと思います。

提灯記事にならないように心がけます。
恐らく鯨統一郎の著書についてが多くなりそうな気がします。
しばらくは別のブログに書いたものを引っ越しさせようと思います。

よろしくおねがいします。

『カフカ、大阪を歩く』

私は大阪という都市にいる。正確には「大阪市中央区」と呼ばれる区画に分類される場所らしい。なぜここにいるのか、正確な経緯は思い出せない。おそらく、あの不快な医師が「気分転換になる」と言っていた気がする。だが、誰の気分を、どこへ転換するというのだ? 朝、私は「なんば」という場...