2026年5月10日日曜日
岸本佐知子『あれは何だったんだろう』(筑摩書房)未収録作一覧
2025年6月20日金曜日
『カフカ、大阪を歩く』
私は大阪という都市にいる。正確には「大阪市中央区」と呼ばれる区画に分類される場所らしい。なぜここにいるのか、正確な経緯は思い出せない。おそらく、あの不快な医師が「気分転換になる」と言っていた気がする。だが、誰の気分を、どこへ転換するというのだ?
朝、私は「なんば」という場所のホテルを出た。空気は湿っていたが、どこか人懐っこい。まるで街全体が、言葉を持たぬ犬のように、こちらの匂いを嗅ぎにくる。
歩くうちに、奇妙な看板が目に入った。
「くいだおれ太郎、こちら!」
私は、ひとりの道化の姿をした人形と目を合わせた。その表情は、笑っているのか泣いているのかわからなかった。だが私には、彼が囚われていることだけはすぐにわかった。彼は一日中太鼓を叩くことを命じられ、その意味を知らぬまま、人々のカメラに微笑みかける。
私は身震いし、彼に一礼してその場を離れた。
次に私は、「通天閣」という塔の下にいた。そこでは、並んだ人々が「ビリケン」と呼ばれる神像の足を撫でていた。なぜか皆、笑顔だった。その神は、誰にも似ていない顔をしていた。私は思った。「これは、幸福を約束するために作られたが、誰ひとりそれを信じていない神なのではないか」と。
私は恐る恐るその足に触れた。すると、まるで夢の中のように、周囲の人々の顔が少しずつ、私自身の顔に似てきた。私は逃げた。笑い声がどこまでも追いかけてきた。
疲れて入った店で、串カツを注文した。「ソース二度づけ禁止」と壁に書かれている。私は一度だけソースに浸したが、それが本当に「一度目」だったのか、誰が保証できるのか? すでに皿に付着した他人の記憶が、串に乗っていたかもしれない。
私は食欲を失い、店を出た。
夜になっても、ネオンは眠らない。街が私を見つめていた。すべての電飾が目であり、音声が言葉であり、都市そのものが私に何かを伝えようとしていた。
「茶碗の底に沈んだ手紙」(架空のフランツ・カフカ未発表短編)
《茶碗の底に沈んだ手紙》
(架空のフランツ・カフカ未発表短編)
彼は毎朝、同じ喫茶店に入った。
通りに面したその小さな店は、ガラス戸を引いても鈴が鳴らない。誰にも気づかれずに入ることができるので、彼は気に入っていた。
彼は「緑茶」とだけ日本語で告げ、隅の席に腰を下ろす。店主の老婆は一言も発せずに湯を沸かし、湯飲みと茶碗を盆に載せて運んでくる。その茶碗は少し歪んでいて、釉薬も剥げかけていた。だが、彼にはそれが、まるで何かが「封じられた器」に思えてならなかった。
ある日、茶を飲み干そうとすると、茶碗の底に小さな紙片が沈んでいることに気づいた。紙はふやけていて、手に取ろうとするとちぎれそうだった。彼は慎重にそれを拾い、畳の上に置いた。
紙には、日本語でたったひと言だけ書かれていた。
「見ている。」
彼は意味がわからず、老婆に紙を見せた。老婆はじっとそれを見つめたが、何も言わなかった。いや――言わなかった、というよりも、「何かを思い出そうとして、それを途中で諦めたような顔」だった。
それから毎日、彼は茶碗の底を覗き込むようになった。ある日は何もなく、ある日はまた紙が沈んでいた。そこには、「あなたは誰?」「手紙を拾ったのは初めてではない」といった、曖昧で不穏な言葉が書かれていた。
紙を店外に持ち出すと、インクはすぐに消えてしまった。茶碗の中にあるときだけ、それは文字であり、誰かの声のようだった。
彼は次第に、自分がその喫茶店のなかで「観察されている」ことに気づく。壁に掛けられた掛け軸の書、柱の傷、棚に置かれた猫の置物――それらすべてが、視線を持っている。
ある朝、彼は最後の紙片を見つける。それは裏にも文字があり、こう書かれていた。
「あなたも、底に沈んでいます。」
その瞬間、茶碗の内側がゆっくりと黒く染まり始めた。彼はそれを覗き込みながら、次第に自分の指が、腕が、記憶が、その中へ引き込まれていくのを感じた。外では風が鳴っていた。だが、それは誰の耳にも届かなかった。
(終)
Written using ChatGPT.
もしフランツ・カフカが日本に来ていたとしたら
もしフランツ・カフカが日本に来ていたとしたら――それも、現実に可能だった1920年代以降、あるいは仮に第二次世界大戦後に亡命や旅の形で訪れていたなら――彼の人生と文学は、いくつかの独特な方向に展開したかもしれません。
2024年6月11日火曜日
2024年1月11日木曜日
2024年1月1日月曜日
『The JOJOLands』作者・荒木飛呂彦氏 巻末目次コメント
【2025年6月20日更新】
UJ2025年7月号目次コメント追加しました。
『The JOJOLands』雑誌と単行本のサブタイトルの違い
【2025年6月20日更新】
#026の雑誌サブタイトルを追加しました。
2023年11月30日木曜日
2023年11月14日火曜日
【昨夜の夢】南こうせつのリサイタル
2023年9月17日日曜日
【昨夜の夢】MoritaSaki in the poolのライブへ行くが…
2023年9月14日木曜日
2023年9月7日木曜日
【昨夜の夢】Large House Satisfactionのフロアライブ
2023年9月3日日曜日
【昨夜の夢】w.o.d.サイトウさんからカレー皿欲しいと言われる
2023年8月1日火曜日
【昨夜の夢】THE BAWDIESのROYと喫茶店へ行く
2023年7月21日金曜日
2023年6月20日火曜日
【昨夜の夢】SuperBack新曲「ドロドロン」を焼く
その過程を見せてもらう
ジャケットの印刷まで行っている、プリンターの音が響くほどの静まりかえった部屋で
丹野母が部屋を覗き、このお茶飲んでいきと水筒を置いていく
ぷはぁとNが押し入れから出てくる
作業を終えた丹野氏は、A3サイズの箱の中の動物立体パズルをやってる
半分以上パズルのピースが破損してるが、ここは蟹やな、ここは猿やなと根気良くかつ手早く
部屋の扉開いてたから兄が扉を横切る
「うわさのステイシーさん?」
そう、と兄が立ち止まったので彼と言葉を交わす
2023年6月8日木曜日
2023年6月3日土曜日
岸本佐知子『あれは何だったんだろう』(筑摩書房)未収録作一覧
PR誌「ちくま」掲載の岸本佐知子さんの「ネにもつタイプ」が好きすぎるので自分用に一覧にしてみました。 ★……単行本未収録 年号の横の数字は話数 2019年 205〜214 03月号(No.576)「バナ」 04月号(No.577)「ドーム」 05月号(No.578)「耳田さん...
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【2025年6月20日更新】 UJ2025年7 月号目次コメント追加しました。 『The JOJOLands』がウルトラジャンプ(UJ)に掲載された際の、作者・荒木飛呂彦氏の巻末目次コメントを第1話から拾っていこうと思います。 今回『The JOJOLands』は休載で、かわり...
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