2020年4月9日木曜日

【感想】鯨統一郎『文豪たちの妖しい宴』

鯨統一郎氏の『文豪たちの妖しい宴』(創元推理文庫)を読んだ感想です。



ネタバレはありません。


『文豪たちの妖しい宴』は通算98冊目の著書です。
バーを舞台に、日本の誰もが知っている名作を、今までには無い新しい切り口で論じています。


『カフカ、大阪を歩く』

私は大阪という都市にいる。正確には「大阪市中央区」と呼ばれる区画に分類される場所らしい。なぜここにいるのか、正確な経緯は思い出せない。おそらく、あの不快な医師が「気分転換になる」と言っていた気がする。だが、誰の気分を、どこへ転換するというのだ? 朝、私は「なんば」という場...